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日々の雑記帳

大井川鐵道の旅

 10/22(火)に、以前から乗りたいと思っていた大井川鐵道に乗りに行った。SLが現役で走っている鉄道で、観光鉄道の色合いが強い。今回の旅の主な目的はSLに乗ることである。

 私が静内に行くときに定宿にしているエクリプスホテルには、いつも大井川鐵道のチラシが置いてあり、以前から気になっていた。静内エクリプスホテルは大井川鐵道の系列ホテルらしい*1


 朝早く家を出て、まずはJR金谷駅を目指す。金谷駅でSLの切符を買おうとしたが、隣の新金谷駅でしか購入できないとのこと。大井川鐵道車両基地新金谷駅にあり、金谷駅から新金谷駅まではわずか5分ほどの短い区間だ。この区間だけを走る列車が運行されていて、JRと接続するために設けられた区間らしい。

 新金谷駅に着き、駅前でSLのチケットを購入。しばらくすると、SL南アルプス号が入線してきた。SL特有の独特の匂いが漂う。子供の頃に公園で見た静態保存のSLの匂いに、石炭の匂いが加わったような感覚だ。

 以前、高崎から前橋までの短い区間でSLの企画列車に乗ったことがあったが、今回は大井川鐵道の本線を走る常時運行の列車に乗ることになる。とはいえ、毎日運行しているわけではなく、この日は平日の運行日だったため、予定を合わせて行くことにした。

 客車もレトロな雰囲気が漂っていて、昭和初期に作られた本物のものらしい。大井川鐵道本線は、上流にある井川線の始発駅である千頭駅まで行くものと思っていたが、2022年の台風の影響で一部区間が運休していた。そのため、今回は千頭駅までバスが出ている家山駅まで行くことにした。SL急行南アルプス号は、新金谷駅から家山駅までノンストップで走る。

 家山駅に到着後、千頭駅まで町営バスに乗る。このバスは川根本町が運行しているもので、大井川鐵道とは異なる運営母体のため、鉄道のダイヤと接続していない。家山駅での待ち時間は1時間以上あったので、駅周辺を散策し、近くの展望台がある公園に足を運んだ。

 やがてバスが来て、千頭駅に到着。ここから井川線に乗るが、またも30分ほどの待ち時間があった。井川線は日本唯一のアプト式区間がある路線で、この方式が採用されているのはアプトいちしろ駅から長島ダム駅区間のみである*2千頭駅では普通のディーゼル機関車が客車に連結されていた。3両の客車はそれぞれ昔使われていたもので、車両ごとに異なるレトロなデザインが特徴だ。

 列車は千頭駅を出発し、大井川の上流へと向かう。車内放送によると、かつて井川線はアプトいちしろ以降の区間を別の場所で運行していたが、1990年に長島ダムが建設され、ダムの底に沈んでしまったため、現在の路線に移設されたそうだ。その際、急勾配の90パーミル区間を走るため、アプト式が導入されたという。

 アプトいちしろ駅に着くと、アプト式の機関車がやってきて連結される。アプト区間では、元々繋がっていたディーゼル機関車は動かさず、アプト機関車のみが動力となる。この区間だけは電化されているそうだ。

 このこの一駅だけの区間だけ井川線に乗るために観光バスでやってきたツアー客がいて、この区間だけは平日ながらも混雑していた。長島ダム駅に到着すると、再びアプト機関車の切り離し作業が行われ、ディーゼル機関車が動力を引き継いで出発する。

 井川線の終着駅は井川駅だが、今回は途中の奥大井湖上駅で降りた。この駅はダム湖に突き出た半島の先に位置し、陸路ではアクセスが困難なため「陸の孤島」のような感じで、秘境駅に分類されることもある(ちなみに大井川線の鉄橋の線路の横に設けられた狭い歩道を通ってダム湖を徒歩で渡ることは可能)。駅から丘を登ったところにある展望台からは素晴らしい景色が楽しめた。

 帰りは逆方向の列車に乗って千頭駅まで行った。帰りの列車でもアプト区間には専用の機関車が連結された。下り坂だが、いわゆる「エンジンブレーキ」のために必要なのだろうか(機関車を下の駅に戻すという意味もあると思うが)。

 この日の宿泊先は川根温泉ホテル。千頭駅からは大井川本線家山駅までの路線バスが出ているのだが、そのバスが手前の川湯温泉ホテルに停まるので、ホテルで降りることとする。ここでもバスのダイヤが鉄道と同期しておらず、1時間以上待つこととなった。

 ここまでの旅程は大井川鐵道のホームページにあるモデルコースの「SL運転日限定!SL&湖上駅欲張りコース」の7番目までのタイムテーブルだ。このモデルコースだけだと日帰りも可能なのだが、せっかくだから川根温泉ホテルに泊まることとした。

 川根温泉ホテルは私が日高遠征時に定宿にしている静内エクリプスホテルの系列のホテルである。エクリプスホテルは「楽天朝ご飯フェスティバル」で北海道地区No.1のホテルであり食事が美味しいことで有名だが、その秘伝レシピも展開しているそうなので、夕食・朝食付きのプランで宿泊した。バイキングの食事はバラエティに富んでいて美味しかったが、静内のほうが北海道産の新鮮な食材を使用している分もっと美味しいかな。


 翌日は川湯温泉ホテルのバス停からJR島田駅までバスで出発した。大井川鐵道で金谷まで行くことも考えたが、ちょうどいい時刻にホテルからバスが出ていたのでそちらを利用することとした(バスの方が安いし)。

 この日はあいにくの雨だった。どこか晴れたところで途中下車して寄り道しようと思ったが、島田から東海道線で東に向かう私を追いかけるように、雨雲が偏西風に乗って追いかけてきた。小田原でようやく晴れたので、小田原を散策。小田原自体は乗り換え等で何度か行ったことがあるが、小田原城に行ったのは初めてだ。小田原城に行くと再び雨に降られた。

帰りは小田急で登戸まで行って、そこから南武線に乗り換え、府中に帰宅した。

*1:現在はどちらも「エクリプス日高」の傘下である。

*2:アプト式について詳しく知りたい方は大井川鐵道ホームページの解説を参照。