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日々の雑記帳

ニュータカラコマ(;_;)

 今日は帯広競馬場ばんえい記念が行われた。ここ数年、ばんえい記念当日は現地に行って観戦していたのだが、今年は自宅でネット中継を観ていた。

 1トンもの重さのソリを轢いてレースをするばんえい記念は独特の雰囲気がある。最後から2番目の馬がゴールしてて着順が決定した後も声援が飛んで、最後の馬がゴールした瞬間に勝ち馬がゴールした瞬間以上に暖かい拍手が自然発生する。着順に関係なく完走した馬を讃える、現地でしか味わえないあの感動。それは中央競馬で言うと中山大障害グランドジャンプに通ずるものがある。

 今年は現地ではなく自宅でモニター越しにそのレースを観ていた。オレノココロが強い勝ち方で連覇を決めた。馬券も三連単が的中したかと思いきや、ばんえいならではの逆転劇で2,3着がゴール手前で入れ替わりハズレだった。ここまではいいレースだった。普通の競馬ならここまでしか観ていないのだが、これはばんえい記念。その後ろを懸命に走る後続の馬たちにも思わずエールを送ってしまう。

 7着のホクショウユウキがゴールすると画面のアングルが変わった。コースで1頭倒れ込んでいる馬がいる。ここ3年のばんえい記念2,2,3着の実績を誇るニュータカラコマだ。「頑張って立ち上がってくれ。そしてビリでもいいから完走してくれ。」と心の中で祈るように画面を見つめていた。しかし、その映像は途中で切れて最終オッズを表示する画面に切り替わった。

 ニュータカラコマのその後は(主に)現地にいる人のTwitterのつぶやきから拾って追った。ブルーシートが被せられたとの情報が飛んできた。そして、ゴールの先まで運ばれ、重機を並べて観客から見えないようにされた様だ。最悪の予感がした。そしてその予感通りに予後不良という情報が入ってきた。

 昨年まで現地で見ていて、ここ3年ニュータカラコマが2,2,3着でゴールインするシーンを生で観ていた。しかし、私が一番大きな声援を送ってゴールの瞬間大きな拍手をしたのは、勝った馬でも2,3着の馬でもなく、最後にゴールした馬に対してだった。私が現地観戦した年に限って言えば、ばんえい記念競走中止などはなく全馬完走していた。だからこそビリでも完走した馬を讃えることができた。

 もし、今年も現地で観戦していたら、私はどうしたのだろう?もちろん、完走した馬達を讃える気持ちはある。しかし、道中で倒れ込んで起き上がらない、いや、起き上がれない馬がいる前で拍手をしたり「よくやった」と声をかけることはできただろうか?ニュータカラコマの故障は残念だし悲しいことだが、かといって1トンもの重さのソリを轢いて障害を越えて完走した馬の栄誉は変わるものではない。複雑な気持ちになるのは間違いないだろう?そして「拍手や声援をすべきか」ということについては答えはまだ出せていない。

banei-keiba.or.jp

 ばんえい競馬ではレース中の怪我による競走中止は滅多に発生しない。滅多にないからこそ心に深く残ってしまう。それがこんな大レースで起こってしまうなんて…。と思ったのだが、考えてみたら他のレースでは背負うことのない1000kgという重いソリを轢いているからこそ馬に対する負担が大きいのである。残念ながら大きなレースほど事故の可能性も大きいのだ。

 過去3年のばんえい記念で大きな感動を与えてくれたニュータカラコマ号のご冥福を心よりお祈りいたします。