オークス観戦のために東京競馬場に行ってきた。そのオークスは歴史に残るような接戦だった。競馬ニュースにとどまらず一般のニュースにもなっているので既にご存知だとは思うがJRA史上初のGI同着である。
ゴール前にサンテミリオンとアパパネが抜け出して2頭の激しい争い。大外枠と大外から2番目の枠だったピンクの帽子をかぶった騎手が手綱をとる2頭の馬のデッドヒートである。ゴール板前を駆け抜けた瞬間はどちらが勝ったのかも分からないような微妙な差。私の目にはアパパネっぽく見えたのだが、周りでは「サンテミリオンじゃないの?」と言ってる人もいる。そして長時間の写真判定。どちらが勝ったのかが分からないのではなく、どちらも勝ったのだということが発表された。同着である。場内には歓声とどよめきが入り混じる。
GIレースでの同着はJRA史上初だそうだ。勝馬は2頭いるので口取り式も表彰式は2回行われた。GI口取り&表彰式に2頭居るなんて珍しい光景である。はっきりいうとこのレースは特別楽しみにしていた訳ではなかったのだが、結果的に歴史的瞬間をこの目で見ることができて、観に行って本当に良かった。2頭のGI表彰式なんて滅多に見れるものではないし、私が生きている間にもう一度あるのかどうかも微妙である。
表彰式は2回に分けて行われた。ただし最後に勝利騎手とプレゼンターをつとめたの蒼井優さんの記念写真の撮影は、アパパネの横山典弘騎手とサンテミリオンの蛯名正義騎手の両方が蒼井優の両脇に並び3人で行われた。いつもなら騎手とプレゼンターのツーショットなのだが、今回は騎手が2人いるのである。写真を撮って置きたかったが表彰式が行われた場所からは結構離れた場所で見ていたので撮るチャンスは無かったのが残念。
そして最終レース終了後に、予定外に騎手が2人出演したパドックでのオークス回顧イベントを見た。その後、帰ろうとすると総合インフォメーション近くに行列が出来ていた。何の行列なのかと思ったら壁に貼り出されているに「決勝写真」の写真を撮るための行列だった。やはり「この歴史的な瞬間その場所に自分がいた」という記念に、同着の根拠となった決勝写真を写真に収めておきたい人が多いんだろうな。ちなみに私はその行列に並ぶ気は無かったが、「写真の写真を撮るための行列」の写真を撮ろうかとは思った(笑)。実行はしなかったけど。撮っておけばよかったかな。
GI同着で勝ち馬が2頭というのはJRAでは史上初であるが、地方交流レースを入れると92年の帝王賞でラシアンゴールドとナリタハヤブサが同着となって以来だそうだ。そして、この時の騎手も蛯名正義と横山典弘だったそうである*1。これは驚きだ。歴史は繰り返す…のか?
*1:http://db.netkeiba.com/race/199244041510/