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日々の雑記帳

2月26日には

 2月26日は昭和11年に二・二六事件が発生した日である。何年に起きたかが分からなくても、その事件が発生したのは2月26日であると言うことは誰でもわかるだろう。何しろ日付が事件の名前になっているぐらいだから。この事件をきっかけとして日本では軍部の発言力が強まり、その後の太平洋戦争などの悲惨な歴史に繋がっていった。近代史の転換点のような事件である。例えば「皇道派事件」とかいう名前が付けられていたら、この事件が2月26日に発生したと覚えている人は少数派だろう。満州事変が何月何日に起きたのかを知っている人が少数派であるのと同じように。


 私が高校3年生の時(1992年)の2月26日は大学受験のために東京に一人で出てきていた。ホテルでテレビを見ていたら二・二六事件を特集していたから、日付まで覚えている。正確な大学受験の日付なんて覚えていないが、2月26日に東京のホテルに泊まっていたことは覚えているのである。

 二・二六事件といえば、私が好きな小説に宮部みゆきの「蒲生邸事件」というのがある。その物語の主人公の少年も1993年に大学受験のために東京に出てきていた。つまり私と1年違いのほぼ同世代である。その少年がホテル火災に巻き込まれ、ふとしたことから二・二六事件の起きた昭和11年にタイムスリップしてしまうのである。いわゆるタイムスリップもののSFなのであるが、この小説の中では過去の歴史を変えようとした時に「歴史の大きな流れは変えられない」というタイムパラドックス回避策をとっている。つまり、タイムトラベルの能力を持った人間が過去の歴史上の事件を阻止しようとしても、登場人物こそ入れ替わるものの似たような事件が発生するのである。歴史の大きな流れは一人の人間には変えることができないという結論である。一人の個人の歴史は変えられても、大きな歴史の流れは変えられない、そういうことである。


 ところで蒲生邸事件を読んでからサザンオールスターズ素顔で踊らせてを聴くとどうも像が被ってしまうんだよな。この曲が作詞されたのは蒲生邸事件が発表されるより10年以上前なのに。


♪2月26日には ささやかな二人の絆


「素顔で躍らせて」の歌詞の中の「2月26日」というのは何を意味しているのだろう?何となく意味深である。歌詞中には二・二六事件やその時代背景を思わせる字句や表現は一切入っていないのだけどね。

 偶然情景がダブっているだけなのかも知れないが、もし「蒲生邸事件」が映画化されることがあったら、ぜひ「素顔で躍らせて」を主題歌にして欲しい。シングルになっていない(アルバム「ステレオ太陽族」に収録されている)様な曲ではあるが。


 と思いつつ私のホームページに設置してある「今日は何の日パーツ」を見ていたら、2月26日は(作詞者兼ボーカルである)桑田佳祐の誕生日の様である。単に自分の誕生日を歌詞に持ち出しただけなのか?