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日々の雑記帳

角居厩舎の1歳馬の預託について考えさせられた

 私の出資馬で私がユニオンオーナーズクラブに入会するきっかけともなったサンビスタの預託先である角居勝彦厩舎が、今年の1歳馬は入厩させないという事が公式ブログで発表された。

 JRAの預託頭数の上限を2013年3月までに馬房数の2.5倍(現在は3倍)までに削減することに対する抗議のようである。

 このJRAの削減策は弱小厩舎を救うための措置であろうと予測される。しかし、本当にこれでいいのだろうか?

 昔は、ほとんど仕上がっていない馬を厩舎に入れて一から馬を育てたので、馬房数をはるかに超える数の馬を預かることは難しかった。しかし、今は育成牧場が進歩しており、ほぼ仕上がった状態で入厩される。馬を育てたり仕上げたりするのは育成牧場の仕事で、厩舎ではレースに向けた最終調整をするだけであることが多い。だから美浦栗東にある馬房数をかなり上回る数の馬もやりくりしてレースに出走させることが可能なある。

 つまり、競馬を取り巻く育成環境が昔よりも進歩しているので、1厩舎が回していける頭数は増えているのである。しかし、管理馬の上限を減らすのは時代の流れに逆行しているように思える。

 とある調教師先生の著書(ひょっとしたら角居先生だったかも)で昔は調教師は馬を育てるのが仕事だったので面白かったが、今は最後の調整以外は使うレースを決めたり馬主等と折衝したりするマネジメント業務が中心になっているので、調教師の仕事も面白くなくなっていると読んだことがある。その面白くなくなりつつある仕事でもやりがいを感じるには、より多くの馬を預かってレースで使って活躍してもらうことも必要だろう。しかしJRAは預託数の上限を下げるっていうんだよな。1頭の馬の育成に関わる厩舎の重みが昔より減ってるのだから、数で勝負するしかないだろう。

 せっかく厩舎のモチベーションを挙げるためにメリット制を導入したのに、預託頭数の上限を下げるのは逆効果なんじゃないかな?

 馬を預ける側にとっても優秀な厩舎に預けたいもの。しかし、人気の厩舎は預けたいという人も多く、そこに預けると回転を良くするためにずっと放牧に出されたまま入厩させてもらえない、つまりレースで使ってもらえなかったり、活躍できないと引退を勧められたりするリスクが付きまとう。馬主にとってもデメリットとなるだろう。

 昔と違って育成牧場も発達してきており分業化されているのだから、預託上限も下げるどころか上げる方が自然だと思うのだがいかがなものだろうか?もともと馬房数自体が限られているのだから、預託可能頭数は無制限にすればいいと思う。自然と上限は決まってくるし。育成牧場とパイプが強くやり繰りの上手い厩舎は多くの馬を回して、育成牧場とのパイプを持たなかったり自分たちの手でじっくり馬を育てたかったりする厩舎は少数精鋭で勝負とか、厩舎の個性に合わせて運営する色々なタイプの厩舎があってもいいと思う。

 角居厩舎は抗議の意味もあるだろうが、そういう条件の下で現在の管理馬を見捨てることなく、その馬達にとってベストを尽くしてくれる様なので感謝している。再来年のクラシック路線には1頭も乗れないけど、その次の年はクラシックを勝って欲しいな。