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日々の雑記帳

エリザベス女王杯観戦記

 現地に行ったわけではなく、府中競馬場のターフビジョンでの観戦だったが今日のエリザベス女王杯は「記憶に残る」レースだったので書いておこう。

 場内は逃げている2頭がカメラに写るたびにどよめきが生じた。そして、レースが終わった瞬間は「何それ?」という以外の言葉が浮かんでこなかった。呆然自失といった感じだ。

 人気薄のクィーンスプマンテテイエムプリキュアの2頭が3番手以下を15馬身以上離して大逃げを打つ。「どうせ最後には脚色が衰えて差されるだろう」と思って見ていたが、3コーナー、4コーナーにさしかかっても3番手以下を大きく突き放したままだ。そしてそのままゴールまでその2頭が1、2番手だった。最後にブエナビスタがもの凄い脚で差してきたが、それも及ばず3着まで。馬連で10万馬券の大波乱。

 逃げている人気薄の馬が1頭だけだったら、いわゆる「ナメられ逃げ」で誰も競りかけて来ずに、なおかつ後続が油断していて仕掛けるのが遅くなってまんまと逃げ切ってしまうということもたまにあるのだが、2頭が馬群を突き放して大逃げを打ってそのままワンツーとは珍しい。少なくとも私はそんなレースは今までに観た記憶がない。

 2頭が逃げようとすると普通は道中競り合ってスタミナを使い果たし、共倒れになるのが常である。しかし、今回は違った。2頭がそのまま最後まで逃げ切ってしまった。サイレンススズカが2頭いるようなもんだ。

 ブエナビスタが最後に使った脚は上がり3F32.9秒というもの凄い脚だ。それでも届かないのだから前の2頭はよく粘ったとしか言い様がない。ペースは1000m通過が60.5秒だったので、2頭が競り合っていたものの別に速くはない平均ペースだった。2頭が3番手以下を突き放していたのでラップこそ平均ペースだが、3番手以下の馬にとってはかなりのスローペースだったのだろう。それが行った行ったを許してしまう原因となったわけだが、2頭が競り合ってペースを速めることもなく折り合いを付けてハナと番手を行ったということなんだろうな。

 おそらく先行した2頭以外はブエナビスタをマークして控えていたのだろう。ブエナビスタは後続集団の中では早めに仕掛けたのだが、それでも先行する2頭には及ばなかった。結局のところブエナビスタをマークせずに自分のペースでレースを進めた2頭の作戦勝ちといったところか。その2頭にとっては自分以外にハナに行こうとした馬がもう1頭居たのは誤算だったが、おそらく番手に付けたテイエムプリキュアのベテラン熊沢はそのまま無理に競りかければ共倒れになると思って番手に控えたのだろう。まあ、無理に勝ちに行かなかったので結果は2着となってしまったが、惨敗するよりはマシなのでナイスプレーといえよう。

 最後に、タナパクGI初勝利おめでとう!あと、テイエムプリキュアは春に引退する予定だったが、現役を続けててよかったね。